
有馬頼底師と対本宗訓僧医の対談本である。対本宗訓師は、臨済宗佛通寺派管長・師家としてつとめられていたのだが、46歳のときに医学部に入学する。現在は僧医として活動されている。本中の「寿命ということ」に末期の患者さんのことなどがかかれていて、それがわたしにとって何かとても穏やかな気持ちになるものだった・・・「自然に食べられなくなったら食べない、飲めなくなったら飲まないで、緩やかに脱水状態になり、緩やかな飢餓状態になって枯れるがごとくに亡くなっていくのが生物本来の姿であって亡くなっていく人にとってもいちばん楽だということ・・・」とある。故・たばさが飲まず食わずになってから5日後に、まさに枯れるがごとく逝った。それはものすごく自然な息のひきとり方だった。