『街場の文体論』内田樹著

（内田さんを）読みすぎて自粛を解禁した本『街場の文体論』やっぱりよい。そして、この本によって、また新しい世界が広がった。今読んでいるのだが、内田さんのこの本で準備体操的なことをしてもらったからか、わりにすんなり入ってくる。よかった。「だからわたしは内田さんの本（考え）に惹かれているのだな」と実に納得する。1部抜粋↓


－－－『寝ながら学べる構造主義』（内田さんの著書）は同業からは評価が低かった。（中略）「啓蒙」というのは「目の見えない人間の眼を開く」ということです。僕はフランス語が読めて、そのテクストを解釈できる能力を手に入れたので、そういうことをする暇のない人のために、この力を活かして使いたいと思った。べつに自分だけが目が見えて、読者たちは目が見えないと思ったわけじゃない。フランス語が読めてそのテクストを訳せるというのは、メカに強いとか、料理がうまいとか、音感がいいとか、そういう種類の能力と同じものだと思います。だからその能力を備えていない人の役に立ちたいと思った。料理の上手な人が美味しいご飯を作ってさしだすことを誰も「啓蒙」とは言わないでしょう。－－－